
おすすめ作品 Secret rose garden 番外編 いつまでも共に 第37話
数十年後。 たくさんのバラに囲まれた大きな家に、一人のおばあさんが住んでいた。彼女の名前はエマ。このバラは、ともに歩んできた愛しい夫、ルイが大切に育てて…
40歳の小説家デビュー作。40歳の記念に、新しい事を始めようと小説に挑戦しました。小説を書くことで、言葉の大切さ、選び方、いろんな事を学んでいます。
数十年後。 たくさんのバラに囲まれた大きな家に、一人のおばあさんが住んでいた。彼女の名前はエマ。このバラは、ともに歩んできた愛しい夫、ルイが大切に育てて…
エマがルイと一緒に暮らし始めて、早いものでもう二年が経とうとしていた。二人で世話をしていることもあり、家を囲むバラは生き生きとしている。カミーユと、ルイの祖母の…
エマがルイの家にきてから、何人もがこの家に訪れるようになっていた。「素敵な家ね」「ん。バラのいい香りがする」セナも、幸代とともにエマに会…
『カイルさんへ——お久しぶりです。住所を知らなかったのですが、どうしても報告したいことがあったので、セナさんにお願いしてお手紙を届けていただきました。カイルさん…
時刻は夕方。まだ誰も人のいない薄暗い店内で、幸代は黒いソファに背を預けて座っていた。そして思い出したようにテーブルに置いてあった封筒に手を伸ばすと、ペーパーナイ…
「あなた、エマちゃんからまたお手紙が来たわ!」「ん」ポストに入っていた可愛らしい封筒。差出人を見れば、もう三年も前に日本を旅立ったエマの名前が綴られ…
ルイと暮らし始めてから、エマはお世話になった人たちに少しずつ手紙を書いて送っていた。一人一人を想って絵を描き、そして見つけたお墓の写真も入れて、自分が無事に…
「どうぞ」「あ、ありがとう」差し出されたのはホットミルク。湯冷めをしないようにと言ったルイの手元にも、同じようにホットミルクが握られていた。一口飲み…
カミーユに手を合わせてお墓をあとにしたエマは、ルイの家へと向かっていた。旧市街にある店を紹介しながら歩いてくれるルイのおかげで、家に向かう道でも会話は弾んだ。…
両親が亡くなったあと、自分の手元に残っていた家族のものがカミーユの写真しかなかったこと。その写真に、美しく綺麗なバラたちに囲まれて幸せそうに笑う、祖母カミーユが…