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おすすめ作品 Secret rose garden 繋がる 第31話

ルイと暮らし始めてから、エマはお世話になった人たちに少しずつ手紙を書いて送っていた。
一人一人を想って絵を描き、そして見つけたお墓の写真も入れて、自分が無事にカミーユのお墓を見つけられたことを、今その場所で幸せに過ごしていることを丁寧に綴っていく。

「ねぇエマ」
「ん?」

家事や、売るための絵を描く合間にしかお礼の絵を描く時間を取ることができない。そのため、まだ全員に手紙を送ることはできていなかった。今日も生活費を稼ぐための絵を描き上げたあと、日本にいる誓子と哲也夫婦に当てた絵を描こうかと思っていたところに、ルイから声がかかった。

「手紙を送る作業が落ち着いたら、描きかけのお墓の絵を絵画としてしっかり描いてみたらどう?」
「絵画、として?」

言われた内容をすぐに理解できなくて、間の抜けた声を出したエマに、ルイはしっかりと顔を縦に動かした。
ルイが言っていたのは、彼と初めて出会ったときに描いていたカミーユのお墓の絵のことだ。ルイと出会ったあとトントン拍子にことが進んだため、一緒に住む準備の方に時間を費やしていた。

さらに今は、出会った人たちへのお礼の手紙を送る作業に没頭している。結果、ルイと出会って以降、描きかけの絵は外に出ることはなく、スケッチブックの中で眠っていた。

「君がやっと見つけることができたカミーユさんのお墓。見つけたその瞬間に描きたいと思ったあの場所の絵を、ちゃんと残したほうがいいと僕は思うんだ」
「私も……、私も、最後まで描きたい」

エマはルイを見つめ、意味を理解した上で力強い声を出した。

「うん。僕も、君が描いたあの場所を見てみたい」

その答えに喜んだルイは、絵画の画材を揃えるのは任せてほしいとエマに告げる。エマも最初は断ったが、それくらいは手伝わせてほしいというルイの言葉に最後は折れて、画材の手配はルイに頼んだ。仕事柄絵画に関係するお店などに顔が聞くルイは、早速お世話になっている画材屋へと連絡を入れていた。

そして、実際にお墓の絵の作成に入るのは、お世話になった人たち全員に手紙を送り終わったあとにすることに決めた。手紙を書きながら作成に入り、絵画がおろそかになることも、お礼に作っている絵がおろそかになることも避けたかったからだ。

エマの考えに同意したルイは、注文した画材を取りに行くまで預かってもらうようにお願いし、現在は自分の仕事に勤しんでいる。

「よし、早くみんなに伝えないと」

絵画を描く、新たな目標に俄然やる気を出したエマは、より丁寧にみんなへ送る絵を描き上げていった。

おすすめ作品 Secret rose garden 繋がる 第32話

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